アンドリュー・ワイエス展に行ってきた!その1


アンドリュー・ワイエスとは、アメリカを代表する、アメリカン・リアリズムの画家です。
昨年、92歳で他界しました。
中学の時の美術の教科書に彼の『クリスティーナの世界』という絵画が載っていて、
その絵から香り立つストーリー性、世界観、構図の完璧さに、一気に魅せられました。
(『クリスティーナの世界』でググるとすぐ出てきます。とても有名な絵ですから。)
その頃からのずっと憧れ…。


埼玉県朝霞市の「丸沼芸術の森」が所蔵しているワイエスの作品を、埼玉県立近代美術館にて
公開しています。
金曜日、仕事はお休みをいただいてそれを観に行きました。


久し振りの電車に乗って、北浦和へ。
近代美術館は駅からすぐです。
朝一番から入館したかったので、少し早めに出てきたらやっぱりちょっと早かった…。
美術館は↓こんな建物

10分ほど美術館のあたりを散策。

木がいっぱい植えてあって、近所の人の良い散歩道になっているみたい。
犬を連れている人、子どもを遊ばせている人、近所の幼稚園児も元気に遊んでいました。
噴水もあって、とてもキレイでした。


展示について。
テンペラ画がもっとあるかと思ったなあ。
ほとんどが鉛筆や水彩画の習作でした。
それでも彼の才能や画力を推し量るのには充分ですが。
クリスティーナの世界』のスケッチがいくつかあったのはとても良かった!
クリスティーナの姿勢や手の形を、よく吟味していたのがうかがえます。
オルソン・ハウスと呼ばれている、オルソン家の住まいの終焉までを時系列的に観られるように
展示されていたと思います。
(現在、オルソン・ハウスはアメリカの文化財として保存されているそうです。)


総合して。
点数は多かったけれど習作がほとんどだったので、1000円はちょっと高いかなあ…、と思いました
(お金のことを言ってすみません)。
だってこないだのミュシャ展は、2館合わせて800円だったんだよー!
でも図録は1800円で、これはまあまあ安いと思った(少し小さい版でしたが)。


余談ですが、『クリスティーナの世界』はニューヨーク近代美術館所蔵で、MoMA
絶対貸し出さないそうです。
「オリジナル観たければNYまで来いや〜!」つうくらいの強気らしいです。
そこまで言うならいつか観に行きますけど。
クリスティーナの世界』観に行くだけでもNYの旅の価値はある!
クリスティーナの世界』『ヘルガ・シリーズ』『シリ・シリーズ』のテンペラ画が日本で
いっぺんに観られることがあるなら、入館料が1万円でも観に行きます!!


彼の経歴はよく知らなかったんだけど年譜を見たら、その輝かしい経歴(父が画家、
12歳でイラストの仕事を請ける、20歳で開催した個展では初日で作品が完売等…)の割には、
ストイックに田舎で絵を描き続ける…。
国は違っても、田舎の人の暮らし向きを愛情豊かに描いたワイエスの絵は、日本人にも
馴染みやすく、すんなりと受け入れられると思っています。
それでも、どうしても印象派ポップアートの展示が多いですよねぇ。
まあ、わかりますけど。。。人気ありますもんねぇ、印象派は。
ただ、ワイエスとかホッパーとかも、もっと展覧会してほしいです、ほんと。
というようなことを、こないだ高崎の美術館のアンケートに書いておいた。


そんな、ワイエスにどっぷり浸かった午前中。
しかし、この美術館はそれだけじゃない。
常設展?いえいえ。
イスです、イス。
この美術館は、各階各フロアに、ミッドセンチュリーなモダンチェアが何気なーく置いてあって、
自由に座れるようになっているのです。

(つづく)