今夜は二十二夜さまです

お母さんが、夜、二十二夜さまに行って来ました。
『二十二夜さま』って知っていますか?
地域の女性たちが、夜、お寺に集まって安産祈願をするという、昔からの風習です。
その晩に出産をする人が居るから、というわけではなく、お産をする人全体に対する祈願とでも言いましょうか。
十二夜さまに参加できるのは、女性のみです。
ろうそくをともして、お題目のようなものをみんなで読み上げるそうです。
お母さんが、そのお題目のコピーを持ち帰ってきたので、以下に書きます。
正しい解釈はあたしはわからないのですが、昔から伝わるもののようです。


 『二十二夜尊御和讃』
帰命頂礼 二十二夜
 仰ぐは 如意輪観世音
五障三従の 罪ふかき
 お部屋不浄の 我等をば
救い給わん 御誓願
 すがりて 念ずる 友がらの
家運長久 安産や
 如何なる 難病 うけし身も
願いのままに 身もやすく
 心も やすく 安楽に
此の世を かけて 未来まで
 長く 利益を 得せしめん
南無有難や 二十二夜
 如意輪観音大菩薩
真言
 オン ハントメイ シンタマニ
 ジン バラ ウン


ところどころに昔からの風習や、出産を迎える女性に対する社会的な位置みたいなものとか、
経験者同士でしか判り得ない出産への恐れや励ましなどが見え隠れしているのも、とても興味深いです。
最後のカタカナは、梵語でしょうか?
この和讃を唱和しながらろうそくをともし、その短くなったろうそくを出産を迎える者にお守りとして持たせます。
短くなったろうそく=出産の時間が短い=安産 を意味するそうです。
あたしの住んでいる地区では、2月と3月の22日におこないます。
地区によっては、違う月のところもあるし、毎月のところもあるそうです。
あたしはまだ参加したことがないのですが、とても神秘的(という捉え方をしてしまいます…)な
このような風習は、なくしたくないと思いました。