陰陽

今日は、すごい電車事故があった。
何十人も死んで、何百人も怪我をした。
あたしには残された人の気持ちも、亡くなった人の気持ちもわからない。
あたしに出来るのは、お亡くなりになった方々の、ご冥福をお祈りすることだけ。


技術の発達(医療は別)は、同時に人の命を脅かす。
楽が出来る代わりに、大規模な仕事が出来る代わりに、人は人の作り上げた技術に命を差し出すのだ。
でもそれを考えたら、家から一歩も出られない。
家に居たって、飛行機が墜落してくることもあるかも知れない。
(ずっと前に横浜かどこかでそういう事故がありましたよね。母子3人が亡くなった、と思う。)
それが文明に守られた生活。
文明に守られつつ、文明に焼かれる人間の表裏。
焼かれずに命を全う出来たなら、それは本当に運の良いこと。
事故は、ものすごい確率と偶然で起きてしまうけど、同時に今生きている、ということも、
ものすごい確率の上に成り立っている。
あたし達は、いつ死んでもおかしくない。
いつ切れても、落ちてもおかしくない、細い綱の上で、ぐらぐらと暮らしている。
何事も無く生きている、というだけで、本当はものすごく幸運なことなのだ。
毎日、「今日も死なずに家に帰って来れますように。」と思いながら車に乗る。


現代社会にローリスクなんてない。
常にハイリスク・ハイリスク・ハイリスクの渦中にいるのだ。