失わなければ その重みはわからない

今日は先日買った、映画『ヴァージン・スーサイズ』のフォトブック(?多分)について、書きたいと思います。


あたしはどちらかというと『ロスト・イン・トランスレーション』よりも『ヴァージン・スーサイズ』の方がすきです。
どちらも同じソフィア・コッポラが監督した映画ですが、『ヴァージン・スーサイズ』は"映画"というより
"フィルム"という感じがするからです。
もっと言えば、"動く写真"という印象があるから。
それはただの「たくさんの写真の連続」というのとは全く違う。
ワンカットワンカットが一枚の写真のように非常に印象的で、かつ美しい。
それは、監督が写真家としても成功しているということに起因しているのかも知れない。
美しい5人姉妹が自殺に至るまでの出来事が、情緒的に、感傷的に描かれているのがあたしは好きなのだった。
それでいてどこか淡々として、そして痛々しい。
あたしが買ったこの本は、この作品を観た時のそんな気持ちを思い出させてくれます。
映画館で売ってるパンフレットにしてもいいくらいの出来だと、あたしは思う。
ソフィアの撮った美しい写真と共に、監督や出演者、原作者へのインタヴューなどが載っています。
内容は本当に興味深く、読むと更に作品への関心が高まります。
そして、写真と活字の量のバランスが程好い。
あたしが特におもしろく感じたたのは、巻末近くに載っている「推薦図書」です。
関連本、ではなく、この映画が気に入った人ならきっと読みすすめていける書籍のリストです。
本のタイトルと著者、内容が大雑把にしか載っていませんが、それでも充分に興味を惹く本たちです。
50ページ余りの薄い本ですが、切なくて愛すべきものがいっぱいつまってる。
イノセンス』という言葉がぴったりなこの本を、あたしは本当に愛しています。