同じ部屋に居る象にさえ見て見ぬフリをする奴らへ!

今日はいちにち、夏休みをもらったのでお休みでした。
諸手続きの為に、お母さんと郵便局に用事があったので。
でも涼しかったので動きやすかったです。
郵便局に行く前に、洗剤が安い日だったので量販店に行ったら、開店直後なのにすごい人だった…。
主婦のパワーっつーの?洗剤は買えましたけど、短時間しか居なかったのに何だか疲れた…。


今日は、ついに!「チーハン弁当」のことを書こうと思いましたが、昨日借りたDVD『エレファント』の事を書きます。


エレファント デラックス版 [DVD]

エレファント デラックス版 [DVD]


これは、コロンバイン高校の銃乱射事件をベースに、ガス・ヴァン・サント監督が撮った作品です。
そして2003年のカンヌで、初のパルム・ドールと監督賞のW受賞という、化け物のような作品です。
昨日はTSUTAYAが安い日だったので、店内をぷらぷらしていたところ(お目当ての『MONSTER』が無かった)
棚のいちばん上にあったのを発見しました。いちばん上って届かないから余り熱心に見ないんだよね!
気になってたんだけど、見つからなかったのはこれが理由か…。
殆ど前情報が無かったあたしは、『ボーリング・フォー・コロンバイン』とハーモニー・コリンの作品を
ミックスした感じなのかなあ…と思っていました。
観始めたら、とにかく目が離せない。
何なんだろう?この感じ…。
美しい風景、やわらかな初秋の陽射し。時間がゆっくり流れているようで、静かな緊張感がそこにはあった。
登場人物が、とにかく歩いているシーンがすごく多いな、と思った。
歩いているだけなのに、目が離せない。どうして?
構成もなかなかおもしろかった。
学校の廊下でのシーン。反対方向からやってくる2人のそれぞれの視点。さらにその横を通り過ぎる少女からの視点。
そしてそこには、決められた時間軸が特にあるわけではない。
カットアップのようでありながら乱雑な感じがしないのは、相当高度な構成の技術のせいだろうと思う。
BGMは殆ど無く、セリフも何とキャストのアドリブなのだそう。
基本になるアウトラインがあるだけで、それ以外は殆どキャストのアドリブとのこと!
監督曰く「キャストのセリフに頼らなくても、ストーリーが判るようにした」。素晴らしい!!
テーマは重く、衝撃的でありながら、淡々としている。
だからといって若者の暴挙をライトに描いている訳でもない…。
テーマから『ボーリング・フォー・コロンバイン』を、ジャケからハーモニー・コリンを想像したあたしですが、
『ボーリング・〜』みたいにワザとらしくなく、ハーモニー・コリンのみたくセックスもドラッグも出てこない。
どちらとも全く異なる作風です。(どっちも好きですけどね!)
特典映像の監督のインタヴューにも注目です。物凄いことをさらさら言ってのけてます。
凄い人です。天才なんだと思う。


これは良い作品です。
はっきりそう言える映画は、そうそうあるものではありませんよ。
ベートーヴェンピアノソナタ(『月光』←かなりすき!『悲愴』の第二楽章もいいですね…)が効果的に使われています。
あと今サイトを観たら、ウィリアム・バロウズが朗読しているところも使われているそう。
バロウズといえばカットアップの手法を作り上げた人。
ガス・ヴァン・サント監督も、少なからず影響を受けているのかも。
この監督の作品を観るのは、今回が初めてでした。
他のもタイトルは聞いたことあるけど(『マイ・プライベート・アイダホ』『グッド・ウィル・ハンティング』等)、
機会がなくて観てないものばかりなので、是非観てみたいと思いました。
日本でもこういう映画を撮る人が出てこない限り、全然ダメですよね。
役者の「力量」という意味ではなく「ネームバリュー」としてのキャスティングや、劇中のセリフに頼り過ぎなんだよね!
セリフが少ないのが良い、と言っているのではない。テクニックですよ。もっと勉強して欲しいと思う。
あ、もしかしてあたしがまだ出逢ってないだけなのかも…。本当にあったらいいなあ。