ぼくらの 6 (IKKI COMIX)

ぼくらの 6 (IKKI COMIX)


読んでて良かった。
漫画って別に一度読めば持ってなくてもいいや、っていうのが多いけど、これは『持っててもいい漫画』だと思う。
あたしは、この漫画のテーマは『パラレルワールド』なのかなって思う。
『ぼくらの』の世界で繰り広げられている、物理的なパラレルワールドもそうなんだけど、今あたし達が暮らしている
この世界も、充分に『パラレルワールド』なんじゃないかと。
精神面での、だけど。
あたしの世界、あなたの世界、政治家の考える世界、民衆の現実の世界、マスコミが伝えたい世界、我々が「そう
捉えたい」世界…。
あたしは人間そのものが、ひとつの『世界』だと考えます。『宇宙』、『空間』と言い換えても同じです。
そう考えると、世界中の人それぞれの『世界』が同時進行している今って、『パラレルワールド』そのものなのでは。
個人だけでなく、国家、人種、宗教の世界も絡んでくる。
そんな様々な『世界』が同時進行している。
そしてそれらは全て現実なのだ。
いつかぱちんってはじけてしまうかも知れないけどね。
そんな色んな『世界』の中だから、息苦しくなってしまう人も居るかもしれない。
でも、自分の『世界』も、紛れも無く他人に影響を及ぼしていることを、どうか忘れないで。
そして自分の『世界』が苦しくなったら、他人の『世界』を覗いてみて。他人の『世界』のことを考えてみて。


『ぼくらの』は、物理の話がちょっと出てきたりするので、おもしろいです。
完全文系のあたしが、物理をおもしろいと思うのは、物理の授業をやってないからです。
あたしは高校は商業高校だったので、理科は「理科Ⅰ」「理科Ⅱ」でした。「物理」っていう専門のカテゴリーでは
授業を受けていません(代わりに簿記とかマーケティングとか情報処理の授業があった)。
「物理」で痛い目に合っていないあたしなので、そういう話は『興味』の範疇に充分入り得るのです。
「物理」の授業があったなら絶対苦手になってるはずで(断言できます)、テストとかでこてんぱんにヤラれた学生
生活だったとしたら、こういう話を読んでもおもしろいとか思わなかったかも知れない。
そう考えると、+−×÷以外の数学(あたしは今でも+−×÷以上の数学はムダだと思っています)も、「興味」
から入っていけばおもしろいものになっていたのかも知れないね。
例えばこの前観に行った、エッシャーのパターンとかから入れば、数学もおもしろいと思うようになったかも。
数学、勉強したからキライになった。
物理、勉強していなかったから、逆に興味がわく。
学校の勉強ってなんだかなぁって思っちゃうよね。
教員の技量不足なのかね。