ターネーション [DVD]

ターネーション [DVD]

2/19に観ました。
レンタル屋さんでずーーっと気になっていたのだけど、パッケージのセンスがイマイチ信用できなくて(笑)借りず
終いだったのです。
何か海外の映画祭でもすごく好評だったとか、そういうのもパッケージに書いてあってすごく興味津々だったの
だけど…
いかんせんパッケージのセンスが…(しつこい)。
あと、ドキュメントとか低予算作品って差がすごくあるじゃないですか。せっかく借りたのにダメだったらヤだなぁ
と思って。
でも借りてみました。
制作したジョナサン・カウエットさんの自伝的作品です。
彼が今まで撮り溜めた映像などをカットアップみたいに挟み込んできます。
映像の量というか数(?)はもの凄いですよ。
前半は活字(もちろん英語です…)もすごく出てきて、でもセンス良く乗せてあるのでそれだけで圧倒されます。
このカウエットさんって…もの凄い波乱の人生で、彼のお母さんの人生からもうそれは始まっているんです。
自分のルーツっていうものを考えたとき、やっぱり「お母さん」になるんですかね。
お母さんの身に起こったことから自分に繋げてゆく。
あたしは映像のこととかよくわからないんですけど、前衛的っていうか、すごく斬新な手法なのかも知れなくて、
どちらかというとそういうのあたし苦手なんだよね。
っていうか、わざと判りづらくすることがカッコイイって勘違いしてる、ただ持っているものをまとめる能力が
無いだけのセンスのかけらも無いようなやつらばっかりで、そういうのに共感できるものは全く無いのだけど、
これはそういうのとはちょっと違う気がした。
映像の量は多いのにわかりづらくないし、観づらくない。
活字がずーっと続くような映像でも、活字と映像、どちらもお互いを殺してない。
センスがないとこういうの出来ないと思う。
重ね着が上手い人とかもそうだよね。
内容的には結構衝撃的だし、こういうのは好き嫌いの差が出る作品だと思う。
あたしはかなり好きです。
それと使われてる曲がすごい良い!この映画のサントラってないのかしら…。調べたんだけど出てこないのよね。
この映画のサントラこそリリースすべきだと思う!!
それはそれはものすごく劣悪な環境で生活をした母子なのだけど、それでもふたり生きてる。
だからといって家族群像的な作品ではない。
ドキュメンタリーにしてはごちゃごちゃしすぎてる。
変わってる。
この映画をどんな風に評価しようかと思ったら、「変わってる」っていうのが合ってる気がする。
似た雰囲気だと、ピーター・グリーナウェイの『初期短編集』っぽいけど、あそこまで淡々としていないし…。
あとラリー・クラークとかハーモニー・コリンのもちょっと頭をよぎるけど、あれほど社会そのものをテーマにして
いる訳じゃなし、映画映画してもない。
こういうのは、ちょっと観たことないですね。
あたしはすごく好きでした。こういう手法の映画では、わかりやすかったし。
こういうのだと斬新さを追うあまり、見る側を突き放すものが多いのだけどそうではない。
ガス・ヴァン・サントも大絶賛だったらしいです。
でもやっぱ好き嫌いは分かれると思うなあ。
ちなみにこの映画、218ドルで仕上げたらしいです。


低予算つながりで(?)…いよいよ次回は、衝撃のあの映画のレポートです。