『小さなチェンバロコンサート』のこと


順番に書いてくかなぁ。


先週の月曜日(15日)の夜、お友達と一緒に高崎市タワー美術館に『小さなチェンバロコンサート』というのに
行ってきました。
市広報にお知らせが出ていて、応募したら当選しました。


チェンバロというのは、小さなピアノのような楽器です。
音は…「でんでろでんでろ」というような音です。
何て言ったらいいのか…とにかく『超バロック』としか言いようのない音です…。


渡辺敏晴さんという、チェンバロ奏者による演奏でした。


曲目は、前半はバッハ以前のものが主ということでした(バッハだとパイプオルガンになっちゃうのかな?)。
1600年代くらい?からそれより以前のフランス民謡なども演奏されて、すごく牧歌的というか神話的というか、
フランスの文化っていうと、ヴェルサイユのようなロココをすぐ思い浮かべるのだけど、それよりずっと前の
牧羊とか農民っぽい、素朴な感じ(勝手にそんな想像をしてるのだけど)が感じ取れる曲でした。
なんていうか、『古楽器で奏でる曲』って感じがして、
その時代にトリップしたような感覚になりました。


ヴェルサイユの頃の曲も演奏されて、「ああ〜すっっごくバロックだー」って思って、「チェンバロっていうと
こういう曲だよねー」って思っていたら、この頃のヴェルサイユではそういう『ベッタベタなバロック』が
もてはやされていたそう。
チェンバロのための曲』っていうか『こういう曲を奏でるためのチェンバロ』っていう、すごくすごく曲と楽器が
マッチした印象でした。


途中、ほぼ同時代に日本でつくられた『胡弓』という楽器の演奏もありました。
(同じ渡辺さんによる演奏です。)
胡弓って中国の楽器だとずっと思っていましたが、日本から中国に渡った楽器なのだそうです。
江戸時代によく演奏されたという曲などが演奏され、こちらはオリエンタルな不思議な印象でした。


今回のは小さくつくられたチェンバロ(イタリア様式)で、多分3オクターブ分位しか鍵盤がなかったような…。
でも雰囲気は充分で、チェンバロだけの演奏ってなかなかないと思うし(あたしは初めてでした)、とても
良かったです。

そうそう、和服で来ている女性もいて、とても良い雰囲気でした。


奏者の渡辺さんのMCもとても良かった。
チェンバロという楽器のこと、演奏する曲のこと、時代背景などとてもわかりやすく説明してくれました。
また、演奏前のMCのなかでなにげに拍手のタイミングも伝えてくれてて(知らない曲ばかりで不安だった…)、
安心して聴くことができました。


タワー美術館は日本人画家の日本画・洋画がメインで展示されていて、それらに囲まれた中でのチェンバロ
音は、時代、国を超えて心地よく響いていました。