プロパガンダ


今日、11月11日は『世界平和記念日』だそうです。
1918年の今日、第一次世界大戦が終わったからだそうです。
そんなことにも絡ませて、今日の日記を書きます。


この前、プロパガンダのことについて読みました。
特に興味深かったのは、国民を戦争へと導くためのプロパガンダです。
敵性国家と戦争をしようと決めた政府は、あらゆる手を使って必ず国民を戦争へと向かわせるよう、
仕向けます。
全ての戦争において、国民に戦いを支持させようとします。
戦争反対者をマイノリティとして追い込もうとします。
国民の賛同無しの戦争というものは、在り得ないからです。
そこで、戦争プロパガンダの10の法則というものがあるそうです。


1.我々は戦争をしたくはない。
2.しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
3.敵の指導者は悪魔のような人間だ。
4.我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う。
5.我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為に及んでいる。
6.敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
7.我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
8.芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
9.我々の大義は神聖なものである。
10.この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である。


…凄いですよね。あたしはこれを読んですごいと思った。
これを声高に刷り込まれて「この戦争は悪だ」と思う人は、この日記を読んでくださってる方々の中には
(もちろんあたしを含め…)はっきり言っていないと思う。
あたしは、特に1と2、4ときてごり押しで10を言われたら、完全にノックアウトです。
戦争へと突き進んでしまうと思う。


「いやいや、僕は(私は)絶対騙されないよ」と思ってる人もいらっしゃるかと思いますが、
そういう人こそあたしより先に戦争賛成派になってしまうと思うよ。
何故なら、そもそも「自分は絶対騙されない」=「自分を完全に信じてる」という思考の人だよね。
各種の戦争プロパガンダを刷り込まれてゆく中で「これは自分の思想に当てはまる!」というスイッチが
一旦入ってしまえば、一気にばたばたばたっと「そっち(戦争賛成)の思考」に染まりきってしまう
可能性が大いにあるからです。
開戦直前の不穏な時代には「自分は騙されてしまうかもしれない…」くらいの方が丁度良いんじゃないか
と思います。


ちなみに、フランスの歴史学者のアンヌ・モレリという人は、
「私たちは、戦争が終わるたびに自分が騙されていたことに気づき、『もう二度と騙されないぞ』と
心に誓うが、再び戦争が始まると、性懲りもなくまた罠にはまってしまう。」
と書いているそうです。


戦争の本質は戦闘ではなく、心理戦だとあたしは思っています。
まず、敵国ではなく、自国民を惑わすところからじわじわと始める。
そしてそれはとても巧妙です。


でも、ただひとつだけ、絶対に騙されない思想がひとつあるとあたしは考えます。
それは、「どんな場合であろうと、戦争という解決方法は間違っている」ということです。
そもそも戦争するということが違う。
正しい戦争などというものはどこにもないのだ、ということです。